第6回ミニ移動サロン in亀有

2025年2月4日に印青連事業委員会で大活躍している若手のホープ、佐藤秀俊さんの有限会社興雄社さんへ、工場見学でお邪魔して参りました。

興雄社さんは4階建ての見るからに堅牢な建物で、1Fと2Fの2フロアが製本工場となっています。

入口から入ってすぐ目に飛び込んできたのは、ズラッと並んだタンザクカレンダーの見本たち。そこには野球で前人未踏の大記録を打ち立てたあの選手や、麻雀が得意で人気急上昇中の美人モデルさん、電撃でピカっと席巻する黄色いモンスターなど、誰でも欲しくなるメジャーコンテンツがずらり。私も一つもらって帰りたかったけど、残念ながらそれはNGみたいです。(笑)

工場の設備とオペレーション

断裁機

工場内で忙しそうに稼働していたのが平断裁機。左側には刷本を積みそろえるジョガーの操作にオペレータ1名、中央にイトーテックのギロチン断裁機にオペレータ1名、断裁完成品は右側に移動して全自動でパレタイズされてゆきます。

刷本パレット置き場の床には、リフト装置が仕込まれており、刷本をジョガーに積むと床が上がって、オペレータの腰への負担を軽減しています。

テーブル設計の工夫

驚いたのが中央の断裁機テーブルで、左側のジョガー、右側のパレタイザーとの接続部分が、テーブルをナナメに切って接続されており、コの字型に並んだ3つの装置が完全に一体化していたことです。刷本は完全に平滑な状態で3つの装置を横移動してゆきます。こうしてオペレータへの負担を軽減しながら、高品質、高精度な断裁を常に顧客へ提供し続けていることがわかります。興雄社に任せておけば間違いない、そういう雰囲気を感じさせます。

大量注文への対応力

1F奥の部屋には平断裁機がさらにもう1セット設備されており、大量の注文が来てもスピーディに対応できそうです。

特徴的な機械と技術

大型ペラ丁合機

工場内で非常に目立っているのが、大型のペラ丁合機が何台も設備されていることです。ふつうペラ丁合機と言えば、ホリゾンやデュプロのA3サイズで、小ロット製本に使用されるものが多いと思いますが、興雄社さんのペラ丁合機はB2サイズと大型のものです。さらに紙積み台の隣には次の刷本を積んで用意しておくための棚があり、一般的なペラ丁合機のイメージとはかなり雰囲気が違って、その大きさに圧倒されました。

タンザック機

そして特徴的だったのが、一般的な製本工場では見ることの無い、不思議な機械。その名も「タンザック」が3台も設備されています。タンザックは、ペラで丁合されたカレンダーの刷本に対して、まず天側に穴を開ける。その穴に専用のホットメルトを流し込み、タンザクと呼ばれる厚紙で綴じる。これでカレンダーが完成します。

ホットメルトは、一般的な無線綴じ製本だと180℃ぐらいが多いですが、タンザックは120℃ぐらいとやや低温度のものを使用します。これはホットメルト糊を塗布してから、次工程までの距離が短く、糊の冷却・固化にかける時間が短いためだそうです。

自動化と品質管理

カレンダー製本に特化した製本機が3台も揃っており、昔からあった金具付けで綴じるカレンダーから、紙で綴じるタンザクカレンダーへと、時代を動かした興雄社さんの熱意を感じます。

3台あるタンザックのうち、2台はペラ丁合機に接続されている完全自動機となっており、1台はセパレートで、サイズ形状が特殊なカレンダーの手差し給紙に対応しています。

ペラ丁合機からタンザックに自動で投入されてゆく流れでは、まず丁合機の1段ごとに超音波センサーで二枚差し・空差しを検知します。さらに送紙部では刷本に仕込まれたバーコードを読み込んで乱丁を検知します。そしてタンザック機では刷本の厚みを検知して落丁・増丁を検知します。このように丁合の正確さを担保するために徹底した管理が行われていることからも、不良発生を防ぐ姿勢が感じられました。

その他の製本技術

そのほかに、正確な断裁技術を活かした天糊製本も得意ですし、穴開け機を使用したリング綴じカレンダーにも対応しています。

また薄紙対応型のステッチライナーも設備しており、他社では出来ない薄紙の中とじ製本にも対応しています。

補助金と未来を見据えた設備投資

見学の際に気づいた方も多いと思うのですが、補助金を示す紫色のシールが貼ってある機械がいくつか見受けられました。そのうち数台は佐藤さんが事業計画を作成して補助金を獲得しているようです。技術だけでなく、先を見据えたクレバーさが垣間見えます。

そのほか、工場の奥には小型の機械がたくさん詰め込まれているエリアが。これは年に1回しか使わない、と笑ってお話する佐藤さんですが、奥の方にしまわれている機械についても、質問には的確にお答えくださいました。

総括

こんなわけで、カレンダー製本といえば興雄社!を強く印象づける見学会となりました。お忙しいなかご案内くださった佐藤さん、大変ありがとうございました。

有限会社 興雄社 

第6回ミニ移動サロン in亀有